第六のみ使いがラッパを吹くと、第六のみ使いに、大川ユーフラテスのところにつながれている四人のみ使いをほどきない」という声がありました。すると、その四人のみ使いはほどかれます。(啓示9:13,14)四人のみ使いは、人々の三分の一を殺すため、その時刻と日と月と年のために用意されていたと説明されています。(啓示9:15)

 

 その後、二億の数の「騎兵隊」が登場します。(啓示9:16)この記事では、四人のみ使いが大川ユーフラテスから解放されることが、その後の大患難につながる理由について考察してみます。


(1)四人のみ使いの解放は人々の三分の一を殺すことにつながる


 大いなるバビロンに捕らわれになった「四人のみ使い」は「人々の三分の一を殺すため,その時刻と日と月と年のために用意されていた」とは何を意味するのでしょうか。(啓示9:15)


 続く節によると、数が「万の二万倍」、すなわち二億のライオンの頭をした馬の「騎兵隊」が登場します。(啓示9:16)ヨハネはその口から「火と煙と硫黄」が出て来る馬とそれに乗っている者たちを見ます。(啓示9:17)その騎兵隊の詳細や描写についての考察は、次の記事に譲りますが、「これら」火と煙と硫黄という「三つの災厄によって人々の三分の一が殺された」と記述されています。(啓示9:18)

 
 

  ですから、騎兵隊のために、全地の人々の三分の一ほどになるのかもしれませんが、非常に多くの人々が殺される結果になるようです。四人のみ使いが大川ユーフラテスからほどかれるという出来事が二億の騎兵隊の登場につながります。






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四人のみ使いの解放の後に二億の騎兵隊が登場する




 国連の推測によると、2060年には、地球の人口は100億人に到達し、2100年になると人口は113億人に増加 するということです。もちろん大患難がいつ来るかは誰も分かりませんが、30億から40億の人々が命を失うことになるのかもしれません。


  ですから、結果的に四人のみ使いは、人々の三分の一を殺すため用意されていたということになるのではないかと思います。


(2)啓示9章の四人のみ使いに関連する啓示7章の四人のみ使い


 私は、この四人のみ使いたちは、啓示7章に登場する「四人のみ使いたち」と同じ実体ではないかと考えています。(啓示7:1;9:15)


  啓示7章では、「別のみ使い」がこの四人のみ使いに「わたしたちが,わたしたちの神の奴隷たちの額に証印を押してしまうまでは,地も海も木も損なってはならない」と言います。(啓示7:3)ですから、この四人のみ使いたちは、額に神の証印を押す仕事をする神の奴隷とは、協働関係にあるようです。しかし、その二つの実体は完全に一致しないでしょう。


 しかしながら、啓示1章には、「七つの星は七つの会衆の使たち」であるとあります。(啓示1:20)それで、この四人のみ使いたちは、「使い」なのですから、七つの会衆の七つの星、つまり会衆の使いたちの一部でしょう。ですから、四人のみ使いは、とにかくキリスト教の信仰を持っているクリスチャンたちだと思います。





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四人の使いたちとはとにかく人間でありクリスチャン会衆の成員で世界が平和であるように努力をしている






 四方の風が吹かないようにする、つまり、世界が平和で安定するようにというクリスチャンの努力は、神のご意志と調和していると思います。(啓示7:1)



(3)四人のみ使いたちの実体を考察する


 しかし、この四人のみ使いは「地と海と木」を損なうことができます(啓示7:3)ですから、この四人のみ使いは「地と海」を望めば損なう事のできる権威と影響力があるようです。(啓示7:2)ここの四人のみ使いは一般社会で影響力のあるキリスト教の大きな会衆の宗教指導者たち、あるいはいわゆる「預言者」であるかもしれません。


 なぜなら、「二人の証人」は「二人の預言者」と言われています。(啓示11:10)そして、「二人の証人」と「四人のみ使い」とは重なる部分もあると考えられます。ですから、四人のみ使いの中には「預言者」と言われるにふさわしい人々も含まれているのでしょう。


 また、大いなるバビロンの「中には,預言者と聖なる者たちの血」が、「見いだされた」と述べられています。(啓示18:24)ですから、預言者たちの中には大いなるバビロンによる迫害で命を落とす人々がいます。ですから、四人のみ使いたちが「大川ユーフラテスのところにつながれている」という記述はこのことと調和します。


(4)四人のみ使いたちは人々の三分の一が殺されるように用意されていた


 それらのクリスチャンたちが世界の平和が続くように努力しているということは、大いなるバビロンが世界に権勢を振るう状態が続くように「四方の風」を押さえていることになります。しかし、世界の平和と安定のために努力を払っているクリスチャンたちが大いなるバビロンに捕らわれになって卑しめられたり、多くのクリスチャンたちが殺されたりすることになったのであれば、その努力を続ける理由はなくなってしまいます。



 その結果、二億という数の「騎兵隊」が登場することになります。この「騎兵隊」は、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」の軍勢ではないかと思います。(ダニエル11:31)この「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」は、当初、キリスト教の拠点を攻撃するために、北の王によって組織されました。(ダニエル11:31)


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二億の騎兵隊は・・・北の王によって設立される・・・

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「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」国際的な軍事組織





 「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」とは、北の王が中心的な役割を果たす多国家の軍事・経済の国際組織になるはずです。(啓示13:14,17)第五のラッパが吹かれた後に、北の王は、「いなご」、すなわち、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を設立するように働きかけていました。(啓示9:1-3)



 それで、当初は、この国際組織は、北の王に率いられた軍隊にならって、キリスト教の本拠地を荒廃させ、捕らわれ人を南の王の土地に連れて行きます。ですから、いなごは、設立当初は、南の王と協働しているのです。しかし、その後、事態の変転があり、二人の証人、あるいは四人のみ使いは、大いなるバビロンから解放されることになります。(啓示9:14,15)


 そして、その時、いなごの性質や目的は変わってしまいます。南の王、また、大いなるバビロンを憎んで滅ぼすということに注意を向けることになります。


(5)大いなるバビロンによるクリスチャンに対する迫害と流血に関する聖書の預言


 「二人の証人」、あるいは「四人のみ使い」は自らがそこに行ったので、大いなるバビロンの中で行われていることをはっきり見てきたはずです。大いなるバビロンに関して、「聖なる者たちとイエスの証人たちの血に酔っている」という描写があります。(啓示17:6)彼らはその状況をはっきり見聞きすることでしょう。




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四人のみ使いは大娼婦がクリスチャンの迫害に酔っているのを見聞きすることになる





 さらに、イザヤ書の中には「捕らわれ人たちのためにも故国への道を開かなかった者」である「バビロンの王」に対する「格言的なことば」の預言があります。(イザヤ14:4,17)そして、その預言の中には、バビロンが、「自分の地を滅びに陥れ,自分の民を殺した」という描写があります。(イザヤ14:20)


 この預言は、大いなるバビロンに関しても当てはまる預言となるのではないかと思います。少なくとも、古代バビロンに関して当てはまった特徴は、多くの場合、大いなるバビロンにも当てはまるでしょう。ですから、大いなるバビロンは全地のクリスチャンに対する攻撃も行うとは言え、愚かにも自国内のクリスチャンたちに対する迫害と流血も将来行うと考えられます。自国の国力をそいでしまうのです。


(6)大いなるバビロンが七千人を殺す結果になるという預言


 さらに、啓示の預言の中には、「二人の証人」が比ゆ的に天に上っていき、おそらく、大いなるバビロンから逃げる直後に、大いなるバビロンの「都市の十分の一が倒れ」、「七千人の人がその地震によって殺され」たという預言があります。(啓示11:12,13)



 「七千人」とは、どんな人たちを意味するでしょうか。エホバはエリヤに対して、「すべてそのひざがバアルにかがまなかった者,皆その口がそれに口づけしなかった者」がイスラエルの中に「七千人」残されていたと述べておられました。(列王第一19:18)


   聖書の中でバアル崇拝とモレク崇拝は、よく並べて言及されています。昔、バアル神やモレク神に子供を犠牲として捧げることが行われていました。(エレミヤ32:35)バアルにかがまなかった七千人の者たちとはそのような慣行を拒否した神に対する忠実な信仰を持っていた人々を表わしているでしょう。


 さらに、パウロはその「七千人」は、パウロの時代に、「過分のご親切による選びによって出て来た」「残りの者」と呼ばれるクリスチャンを表わしていたと述べています。(ローマ11:5)ですから、啓示の書にある七千人が殺されたとは、神の王国の希望を持つ偶像崇拝を退ける忠実な者たちが、「地震」、つまり戦争や紛争によって命を落としてしまうことを意味しているのではないかと思います。(啓示11:13)


 戦争が起こるために、米国内で徴兵が行われてそれを神へ忠実を示すために拒否して殉教するというようなことも起こり得るでしょう。確かに、北の王との摩擦が大きくなり、かってなく国家主義が強くなる時に、神の律法に忠実な平和的なクリスチャンが殉教することは大いに考えられることです。



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七千人が死ぬとはバアル崇拝を拒否する忠実な者たちが大いなるバビロンで殉教などで命を落とす事態が起こるのでしょう





 これは、必ずしも、殉教とは限りません。内戦が起きるならば、それに巻き込まれて命を落とす忠実な者も、数多いでしょう。それで、それを見聞きする四人のみ使いは、大いなるバビロンに対して、神の復しゅうをするように言うことになるのではないかと思います。

 

(7)昔エホバは神の律法に違反したソロモンを憎む者を起こされた


 昔、ソロモン王が、エホバ神に忠実に従っていた間は、ソロモン王は繁栄し、平和を享受していました。しかし、ソロモンが晩年になって異教の神の偶像崇拝に陥ってしまった時、エホバ神は「ソロモンに反抗する者」「エドム人ハダド」を起こされたことが記録されています。(列王第一11:14)



 さらに、神はソロモンに対して「もう一人の反抗者」「レゾン」を起こされ、レゾンはイスラエルを憎みました。(列王第一11:23)さらに、「ソロモンの僕,ヤラベアム」も、「王に対してその手を上げるようになった」ことも記録されています。(列王第一11:26)


  ですから、エホバ神はご自分の律法に違反して神の民を迫害する者たちを憎む敵対者を起こすように導くことができます。それは、大いなるバビロンが神の民を迫害しその血を流すからです。


 それで、四人のみ使いたちが大いなるバビロンからほどかれることは、二億の騎兵隊の発進につながります。すなわち、彼らの解放は、大患難が起こる直前になるのではないかと思います。昔イスラエル人がエジプトから出た直後に、エジプトの軍勢は紅海で滅びましたが、それと似たことが起こるのでしょう。




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イスラエル人がエジプトから出た直後に紅海でエジプト軍は滅びましたがそれと似たことが起きるのでしょう

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四人のみ使いの解放の直後に大患難が起こることが預言されている






  それで、エホバ神はご自分の民とその他の人々の命が奪われることを決して容認されることのない方です。エホバ神の公正はエホバ神が私たちの崇拝に十分値する方であることを示しています。

 

 

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エホバ神は大娼婦の神の民と他のすべての流血を容認されることはない公正な神