第六のみ使いがラッパを吹くと、大川ユーフラテスのところにつながれていた四人のみ使いがほどかれることになります。(啓示9:13,14)四人のみ使い」は、「人々の三分の一を殺すため,その時刻と日と月と年のために用意されていた」と説明されています。(啓示9:14,15)その後、二億の騎兵隊が登場します。(啓示9:16)

 四人のみ使いが人々の三分の一を殺すため、その時刻と日と年のために用意されていたとはどのような意味なのでしょうか。


(1)その時刻と日と月と年のために状況が用意される


 「四人のみ使い」が、人々の三分の一を殺すため、用意されていたとはどういう意味があるのでしょうか。(啓示9:15)

 エホバ神は、邪悪な者が地ではびこることのないように、邪悪な者の子孫の滅びをもたらすために用意されます。イザヤ書には、「父祖たちのとが」のゆえに、この邪悪な者たちの「子らのために」、「屠殺台を用意」するようにという言葉があります。邪悪な者たちが、「立ち上がって,実際に地を所有し,産出的な地の面を都市で満たすことのないため」です。(イザヤ14:21)


 また、ヨブ記には、「襲撃の用意ができた王のように」邪悪な者を打ち負かすことについて述べられています。(ヨブ15:24)確かに、騎兵隊は、以前、いなごとしてキリスト教の拠点や本拠地を軍事攻撃することによって、いわば、南の王と背教して悔い改めないキリスト教の拠点を襲撃する予行演習をしていたようなものでした。(ダニエル11:40,41)それで、その軍隊は「襲撃の用意のできた」軍隊のようになっています。


(2)南の王に対する北の王の軍事攻撃に備えて準備がなされる


 確かに、四人のみ使いに関わる状況の変化の一部は、エホバ神によって導かれているようです。それは、キリスト教徒を大々的に迫害した「大いなるバビロン」に滅びをもたらすための状況を作り出すことになるようです。


 啓示の書によると、「天から出る別の声」が「わたしの民よ,彼女の罪にあずかることを望まず,彼女の災厄を共に受けることを望まないなら,彼女から出なさい」という呼びかけがなされます。(啓示18:4)この命令は、まず大川ユーフラテスに捕らわれになっている「四人のみ使い」に対してなされるのではないでしょうか。そして、さらに、「四人のみ使い」も大いなるバビロンにいる神の民に対してこのような呼びかけの言葉を語るでしょう。


 そして、その直後に、「彼女自身が返したとおりに彼女に返し,二倍を,つまり,彼女が行なったことの二倍を彼女に行ないなさい。彼女が混ぜ物を入れた杯に,二倍の混ぜ物を彼女のために入れなさい」また、「彼女に責め苦と嘆きを与えなさい」という命令の言葉が出されるます。(啓示18:6,7)


 この「二倍を」「彼女に行いなさい」という命令が、二億の騎兵隊を登場させることになります。それは、北の王の率いる「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」が自らの望むことを自由に行うことを許す命令です。


 四人のみ使いたちは、「大川ユーフラテス」から解放されて、大いなるバビロンに対する復しゅうを叫び求め、それは、二億の騎兵隊が発進することにつながることになるようです。それで、「四人のみ使いたち」の一部が大患難を引き起こすことを許可する言葉を語ることになるのではないでしょうか。


(3)ユダヤ人の敵に対する攻撃が定めの時に行なわれた


 四人のみ使い」は、「人々の三分の一を殺すため,その時刻と日と月と年のために用意されていた」ということは、昔のペルシャの時代に起きたことを思い起こさせます。(啓示9:14,15)旧約時代は、神の民が神の敵に対して、武器をとって戦うことが許されていました。エステルの時代に、ユダヤ人たちは、ペルシャ内の神の民の敵を前もって決められた時に根絶することになりました。


 ペルシャ支配下にあったエステルとモルデカイの時代に、ユダヤ人たちは敵たちにより滅ぼされそうになりました。その時、ペルシャの王は、「ユダヤ人に,彼らが集合して自分たちの魂のために立ち上がり,彼らに敵意を示そうとする民族や管轄地域の軍勢を皆,小さい者も女たちも滅ぼし尽くし,殺し,滅ぼし,またその分捕り物を強奪すること」を許しました。(エステル8:11)



 「ただし」「第十二の月,すなわちアダルの月の十三日に,一日のうちに行なわれることに」になりました。公布が出されましたが、「ユダヤ人が自分たちの敵に復しゅうする」「この日に備える」ことになりました。(エステル8:12,13)



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エステルとモルデカイはユダヤ人の敵を定めの日時に一挙に滅ぼすを許可を王から得た

 

 それで、騎兵隊の南の王に対する軍事攻撃は周到に履行日だけでなくその時間まで定められることをこの預言の言葉は示唆しています。(啓示9:15)それで、緋色の野獣による大いなるバビロンに対する軍事攻撃は、周到に準備され、その日時まで予定されるので、比較的短期間で行われることになるのでしょう。


 ただし、もちろん、今日の神の民であるクリスチャンには、聖書は剣をとって戦うことを許してはいません。(マタイ26:52)


(4)解放される四人のみ使いの言葉が権威があると考えられる理由


 四人のみ使いとは、大川ユーフラテス、すなわち、南の王の国、大いなるバビロンに捕らわれになったクリスチャンたちを意味しています。その四人のみ使いたちは、「地の四方の風」が吹かないようにする努力を払っていました。(啓示7:1)四人のみ使いの中には、ローマカトリック教会ギリシャ正教会の聖職者たちも含まれていると思います。(啓示11:7,8)

 四人のみ使いが語る言葉は、その時、とても権威があると考えられます。なぜなら、北の王に関しては、イスラム教からキリスト教に改宗していることが予想できるからです。少なくとも、北の王が、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」、すなわち「野獣の像」を設立する時には、北の王は、キリスト教徒に改宗しています。その時、北の王は、「子羊のような二本の角」がある野獣となっているからです。(啓示13:11)




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子羊のような二本の角のある野獣すなわち北の王は野獣の像を作る時に背教したキリスト教になっている







 しかし北の王が改宗するのは、背教したキリスト教です。ダニエル書の中で、北の王は背教しているキリスト教に考慮を払うことも預言されています。(ダニエル11:30)また、北の王自らキリスト教の僧職者たちを背教したキリスト教に導きます。北の王は、「契約に対してよこしまな行動をしている者たちを「滑らかな言葉で背教に導き入れる」ことが預言されているからです。(ダニエル11:32)

 北の王が背教したキリスト教に改宗した時に、彼の配下にいる多くのイスラム教徒もキリスト教に改宗することが予想できます。北の王は、人々から崇拝されているので、そのような大きな影響を及ぼせます。それで、何千万人、何億もの人々が北の王にならってキリスト教に改宗することが予見できます。

 ですから、四人のみ使いたちの語る言葉は、従来のローマカトリック教会ギリシャ正教会の信者たちに対する影響力だけではありません。それ以上の大勢の人々に影響を及ぼせるようになっています。 「四人のみ使い」の言うことは、北の王、また、北の王によって導かれるキリスト教への新たな改宗者に対して権威があることになるでしょう。




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ユーフラテス川からほどかれる時四人のみ使いは大きな権力を持っているでしょう



 それで、四人のみ使いたちの中には、背教したキリスト教を奉じる者たちも含まれているでしょう。そのキリスト教は、剣をとって戦うことを容認し、おそらく、そのようにすることにより、天国に行けるというような教えになるでしょう。


 そして、大いなるバビロンから解放された四人のみ使いの言葉や証言は、大いなるバビロンを非とするものとなるでしょう。


 それで、北の王によって設立された「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」、「緋色の野獣」はその憎しみを今度は、背教したキリスト教に対する復しゅうから、大いなるバビロンに対する復しゅうにシフトすることになるのでしょう。(啓示17:16)


(5)大患難は状況が整えられた効果的な攻撃となるので短期間に行われる


 さらに、啓示の書の預言にも、大いなるバビロンの「災厄は一日のうちに来る」ことが預言されています。(啓示18:8)さらに、「大いなる都市バビロン」は「大きな臼石のような石」が「海に投げ込まれる」ように,「速い勢いで投げ落とされ」ることが預言されています。(啓示18:21)


 それで、大川ユーフラテスから解放される四人のみ使いは、人々の三分の一を殺すため、その時刻と日と月と年のために用意されていた」とは、四人のみ使いの解放は二億の騎兵隊が定めの時に、発進することにつながることを意味しているでしょう。(啓示9:15)


 このように聖書は、物事がどのように進展していくのか前もって説明してくれています。ですから、そのようなことが起きる兆候が表れた時、すなわち、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」が登場してきたら、イエスの助言に従って、山に逃れるのが賢明です。(マタイ24:15,16)



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荒廃をもたらす嫌悪すべきものが登場すると非常に短期間で大いなるバビロンは滅びてしまう


 

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荒廃をもたらす嫌悪すべきものが登場した時点で山に逃げるのが賢明