ヨハネのブログー聖書の預言と希望

主に私たちの将来に希望を与える聖書の預言を説明しています

イエスと統治体の権威に関する聖書的な考察(12-1)証人の現在の聖書預言の解釈が動揺していること

今回は、(1)現在の証人たちの聖書預言の解釈はどのようになっているか(2)ラッセル兄弟の1914年説が間違っているため統治体はまだイエスから奴隷級として任命されていない事について論じたいと思います。

 

 

(1)現在の証人たちの聖書預言の解釈

 

 わたしは基本的に、イエスが忠実で思慮深い奴隷級を任命して、ご自分のすべての持ち物を委ねられるのは、まだこれから先、将来になると思います。そして、エホバの証人が、イエスからすべての持ち物を委ねられた忠実で思慮深い奴隷であると確定しているわけではないと思います。それは次のような理由によります。


 

 証人は、この20世紀、21世紀にどのようにダニエル11章が成就したかを説明していますが、それは、ラッセル兄弟が亡くなられた後に、聖書預言がこのように成就したと、全部後で、説明されたものです。とりわけ、エホバの証人は、ダニエルの預言の説明を、証人の書籍などで説明しています。


 

 おそらく、統治体の一員だったダニエル・シドリック兄弟が書かれたと思うのですが、1999年発行の「ダニエルの預言に注意を払いなさい」という本に、この20世紀にダニエル書がどのように成就したかが説明されています。わたしは、この本が発行された当初、とても興味深く読みました。


 

 例えば、その「ダニエルの預言」の本の268pには、北の王は最初はドイツ帝国で、南の王は「英国、およびその後の英米世界強国」と説明されています。それで、「ダニエルの預言」の本の説明によると、ダニエル1140節の預言の言葉、北の王が「兵車や騎手や多くの船で南の王を激しく攻撃」していくという預言は、すでに、ナチ・ドイツの領土拡張政策によって成就しました。(ダニエル11:40新世界訳改訂版)

 

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証人のダニエルの預言の本には・・・

 

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北の王はナチ・ドイツという記載があった





 

 しかしながら、2018/10/6に行なわれたエホバの証人の年次総会で、統治体のモリス兄弟は、ダニエル兄弟の解釈も一部間違っていたと述べているようです。2018年のエホバの証人の年次総会では、統治体のモリス兄弟が、次のように述べておられます。「終わりの時に南の王は彼(北の王)と押し合う」という聖句を考慮した結果、北の王は『ロシアとそれを支持する国々』であるとはっきり言える。」と断言されています。
 



 

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統治体のモリス兄弟は・・・
 

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北の王はロシアだと断言して以前のナチ・ドイツという解釈を変更した
 





 

 ですから、証人は、最初はダニエル11章40節以降の北の王はナチ・ドイツだと言っていたのですが、最近2018年末から2019年には、南の王と押し合う北の王ロシアとそれを支持する国々だという解釈に変わりました。それで、北の王の実体についての証人たちの理解が変更されたということが分かります。それで、それまでのドイツが北の王であったという解釈は無効になったということが分かります。


 

 どうしてこのような解釈の変更があったかというと、モリス兄弟は、その年次総会で次のように説明されています。 「ものみの2004/2/1 21ページには何と述べられていたでしょうか?「聖書預言は多くの場合、成就してから、あるいは成就の途上でなければ十分に理解でき…ません。・・・預言はたいてい、実現して初めて十分理解できるようになるものです。」


 

 ですから、証人は、事後に聖書の預言がどのように成就したかを振り返り、時間の経過と共に、預言の解釈を変化させるという立場をとっています。しかしながら、1914年にイエスが天で王として即位されたという証人たちの理解は変化していません。そのために、証人のダニエル11章の解釈はその大部分が成就したという解釈になっています。


 しかし、ダニエルの預言の書籍では、成就しないで残っているのは、ダニエル11章44,45節だけだったのですが、非常に大きな部分であるダニエル11章40節以降もこれから成就するということになってしまいました。


 それで、証人の解釈の通り、ロシアがダニエル11章40節をこれから成就するとなると、ロシアは南の王米国に勝利を収めるということになります。しかし、ロシアの軍事力を考えた場合、それは、実際に起きる事とは思えません。万が一、ロシアと中国が共に米国を攻撃したとしても、現在の軍事力の総合的全体的な差を考えると、やはり、ロシアの側の勝利は起こらないでしょう。

 

 

 さらに、モリス兄弟は、その年次総会の話の中で、「今のところ、偽りの宗教を滅ぼそうとしている政府はありません。ところがエホバはサタンの体制の中で、ある特定の部分が別の部分を滅ぼすように仕向けるのです。全能の神にしかできない事です。それで諸政府が実際に大いなるバビロンを滅ぼすようになり、地球規模でそれが生じる時、もう「ニュース速報」は必要ないでしょう!世界中で皆さんは「まさにこれだ!大患難が始まった!」と声を上げるのです。」と言われています。

 

 

        0armageddon
              証人たちは間もなく世の終わりが到来すると考えている

 

   聖書は基本的に、人々、とりわけ信仰の人々に益を与えるために書き記されています。コリント第一の手紙には、聖書の中に昔に起きたことが書かれている理由について、「こうしたことが彼らに起きたのは,私たちが過去の例から学ぶためです。今の体制が終わる時に生きている私たちへの警告として書かれたのです。」とあります。(コリント第一10:11新世界訳改訂版)

 

 ですから、聖書は「過去の例から学ぶため」「今の体制が終わる時に生きている」神の僕への警告のために書かれています。ですから、聖書中の預言は終わりの時に生活する神の民の益のために書かれています。ですから、証人の解釈の様に解釈が二転三転するということになれば、決して神の民は益を得ることができません。



 そして、その預言の解釈が正確な場合は、その成就は、非常に明確で、成就が進めば進むほどクリアになっていくはずだと思います。なぜなら、そのように明確に理解できるのでなければ、終わりの時に生活する神の民のために、益をもたらすことはできないからです。


 

 エホバの証人の解釈のように、その実体の説明が二転三転するようであれば、結局のその預言の解釈のどこかにもともと間違いがある可能性が非常に高いと思います。


 しかしながら、証人のダニエル11章の解釈は、すでに成就した部分があり、またこれから成就していくと考えている部分があるということになります。ダニエル11章40節のような大きな部分の成就に関して、理解が二転三転しています。そこは、ダニエル11章の一番メインとなる部分、最高潮になる部分です。そこの解釈が間違うようであれば、証人たちの解釈は全く信頼ができないということになると思います。



  そして、証人たちがダニエル11章の預言の正確な解釈をできないのは、結局、その基になっている1914年説が間違っているからだと思います。ダニエル11章の起点を1914年に持ってくるのが間違っているのです。

 

 

 ですから、統治体は、証人たちの成員に、1914年説に基づいて、まもなく、大いなるバビロンである偽りの宗教が滅ぼされ、大患難が始まり、この世が終わって、地上が楽園になることを期待させています。証人たちは、近いうちに、この世が終わることを期待しているのです。以上が現代のエホバの証人の統治体による、聖書預言の解釈の一部です。


 

 わたしは、以前も申し上げましたが、この地上は確かに将来に神の王国の支配下の楽園となりますが、それがまもなく起きるとは決して考えません。



 

0paradise9
わたしは地上は神の王国のもとで必ず楽園になるとは思いますがそれがすぐそうなるとは考えません




 

 わたしは、ロシアは、これから北の王の仲間になることはあり得ますが、聖書の預言からすると、北の王のメインの実体になることはないと考えます。さらに、ドイツが北の王であったという解釈も他の聖書の助言からすると間違っていたと思います。今回はその聖書預言の説明は割愛します。そして、証人の解釈からしても、ドイツが北の王であったという解釈は間違っていました。



 

 最初は、北の王の実体は、ドイツであると言い、次にはロシアであると言っているのですから、世界情勢の進展によって、さらに証人たちの言う北の王の実体はこれからも変わっていくのかもしれません。

 

 私は、ロシアは、米国と戦争をする可能性もあるかもしれませんが、それは、ダニエル1140節の成就ではないと思います。そして、ロシアと米国の国際紛争が起こって、それが世の終わりにつながっていくということもないと思います。

 

 わたしは、北の王の実体が分かっていくのは、これからまだ将来で、物事の進展に従って、その実体は間違えないようくらいはっきりしてくると思います。
 


 

(2)ラッセル兄弟の1914年説が間違っているので証人の統治体はまだイエスから奴隷級として信任されていない

 

 エスが王となって戻られる時に、「主人(イエス・キリスト)」は忠実に霊的な食物を分配する責務を果たしている「その奴隷を任命し」て、「自分の全ての持ち物を管理させ」ると約束されました。(マタイ24:45-47新世界訳改訂版)

 

  ラッセル兄弟の1914年説が間違っている場合、当然導き出される結論としては、その時点では、ラッセル兄弟を初めとしたエホバの証人の統治体は、まだ、「忠実で思慮深い奴隷」として、「主人(イエス・キリスト)」から「任命」されて、「自分の全ての持ち物を管理させ」るようにされていないということになります。(マタイ24:45-47新世界訳改訂版)

 

 ですから、イエスが天で王として即位され臨在を開始されるのは、まだこれから将来であるという可能性があります。そして、上で述べたように、誰が「忠実で思慮深い奴隷」として、イエスから任命されるかどうかは、将来に決まるということになります。

 

 今後、将来に至るまで、とりわけ、イエスが天で王権を取られるまで、天的な希望を持つ聖書の研究者が忠実に、忍耐して目ざめていることによって、イエスの是認を得て、奴隷級として信任されることになると思います。