EU(欧州連合)が今また今後どのように聖書預言と関係することになるか
【目次】
(2)米国とEUの関係は聖書的には霊的な意味の性の不道徳を意味する
(3)EUが今後どのように聖書預言にかかわることになる可能性があるか
今回の記事では、EUが第二次世界大戦後、どのように米国と共に戦争に関わってきたか、また、EU(欧州連合)と米国との軍事同盟が神の目に比ゆ的な性の不道徳になること、EU(欧州連合)が将来どのように聖書預言に関係し得るかを説明したいと思います。
(1)EUが第二次世界大戦後から今日に至るまでどのように戦争にかかわってきたか
以下の記載は、第二次世界大戦後に起こったそれぞれの紛争に関わったすべての国家に言及はしていません。
第二次世界大戦後の国際紛争に米国とEUがどのように関わったかに注目して記録します。EU関係国と記載があっても、その当時はまだEUに加盟しておらず、後で加盟することになったかもしれません。また、現在、EUの正規のメンバーでなくて、加盟申請中かもしれません。
また、注目に値すると思われる中東その他の諸国も記載します。また、交戦するどちらの側であっても、参戦国を区別なく記載します。現在反米感情が強くなっている中東諸国は、おおむね当初は、米国やNATOの同盟軍として同じ側に立って参戦していたことは注目に値します。
朝鮮戦争の参戦国(1950-1953)
朝鮮戦争の参戦国(1950-1953)
韓国・米国・EU関係国(英国・フランス・オランダ・ベルギー、トルコ、ギリシャ、ルクセンブルク)
ベトナム戦争の参戦国(1955~1975)
ベトナム戦争の参戦国(1955~1975)
米国・韓国・南ベトナム・EU関係国(イギリス、フランス、ポルトガル、ベルギー、スペイン、西ドイツ、ポーランド、アルバニア、ユーゴスラビア、東ドイツ、チェコスロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、アルジェリア、スウェーデン)、イラン
湾岸戦争参戦国(1991)
湾岸戦争参戦国(1991) 米国、EU関係国(イギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、デンマーク、ノルウェー、ベルギー、オランダ、ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー)、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート、サウジアラビア、シリア、トルコ、エジプト、モロッコ、イラク
アフガニスタン紛争の参戦国
アフガニスタン紛争の参戦国(1978年以降紛争が断続的に起きている)
ドイツでは、アフガニスタンで後方支援に参加して検問警備などの治安活動や復興支援活動に参加するはずでした。しかし、毎日のような戦闘状態に陥り、任務の遂行のために政府はアフガニスタンに駐留中の部隊に武器の使用を認めざるを得なくなりました。55人のドイツ兵士の死亡者が出ておそらく相手側にも数百人の犠牲者が出たと考えられています。
アフガニスタン紛争には、2009年には、全NATO加盟国が国際治安支援部隊(ISAF International Security Assistance Force)として 参戦しました。
アフガニスタン紛争には、多くの非NATO加盟国が兵隊を送っています。オーストリア、アゼルバイジャン、ボスニア・ヘルチェゴビナ、フィンランド、北マケドニア、アイルランド、スウェーデン、ジョージア、ウクライナです。これらの国家はほとんどヨーロッパです。
それで、アフガニスタン紛争の際には、従来キリスト教の教えの影響で、中立主義、非戦主義であった諸国家が従来の主義を放棄して、流血に走っているという残念な事態が起きているということが分かります。
ソマリア内戦(1992–1995)の参戦国
ソマリア内戦(1992–1995)の参戦国
米国・EU関係国(英国、スペイン、イタリア、ギリシャ、ドイツ、フランス、ベルギー)、サウジアラビア、インドなど。
ボスニア・ヘルチェゴビナ紛争(1994–1995)参戦国
米国・EU関係国(ベルギー・デンマーク・フランス・ドイツ・イタリア・ルクセンブルク・オランダ・ノルウェー・ポルトガル・スペイン・トルコ・英国)
コソボ紛争(1998–1999)の参戦国
米国・EU関係国(アルバニア・クロアチア・ベルギー・チェコ・デンマーク・フランス・ドイツ・ハンガリー・イタリア・ルクセンブルク・オランダ・ノルウェー・ポルトガル・ポーランド・スペイン・英国・トルコ)
リビア内戦の参戦国(201
リビア内戦の参戦国(2011) 米国・EU関係国(英国・ベルギー・ブルガリア・デンマーク・フランス・ギリシャ・オランダ・ノルウェー・ルーマニア・スペイン・トルコ・スウェーデン)ヨルダン・カタール・アラブ首長国連邦
対イスラム国戦争の参戦国(2014~)対イスラム国戦争の参戦国(2014~
米国・EU関係国(英国・オーストラリア・ベルギー・デンマーク・フランス・ドイツ・イタリア・オランダ・ノルウェー・ポルトガル・ノルウェー・スウェーデン) トルコ・バーレーン・ヨルダン・モロッコ・カタール・サウジアラビア・アラブ首長国連邦・イラク・シリア・エジプト・リビア
以上のようにEU(欧州連合)が関わってきた流血の歴史を考慮すると、神が啓示13章中で、EU(欧州連合)を奇怪な野獣として特記された理由もうなづけます。
(2)米国とEUの関係は聖書的には霊的な意味の性の不道徳を意味する
NATO(北大西洋条約機構)は、アメリカ合衆国やカナダを含む全部で29か国でなる西側陣営の軍事同盟です。NATOとEUは、さまざまな分野で、共同行動をとっています。それで、EUはおおむねNATO、すなわち米国との同盟関係に基づいて、軍事的、防衛的な努力を払っています。
この米国とEUの関係は、聖書的に言うと、大いなるバビロンである米国とヨーロッパ諸国の地の王たちの間の霊的な意味の売春ということになります。
啓示17章には、大娼婦と緋色の野獣と地上の王たちが出てきますが、「地上の王たちは彼女と性的に不道徳な行為をし,地上に住む人々は彼女の性的不道徳のぶどう酒に酔わされました」と描写されています。(啓示17:3)
本来神に頼るべき地の王たちが他の世界軍事強国に頼ることは比ゆ的な意味で神に対する性的な不道徳
ぶどう酒で酔うとは何を意味するのでしょうか。ESVでは、啓示18章3節にこうあります。”For all nations have drunk the wine of the passion of her sexual immorality” ここでは、大娼婦と地の王たちの性の不道徳の情熱のためにぶどう酒によるかのように酔うことが述べられています。
セプタギンタ訳の英語版の聖書の詩編の中では、”Thou hast shewn thy people hard things: thou has made us drink the wine of astonishment.”(詩編60:3)となっています。これは、わたしの訳ですが、「あなたはご自分の民に辛苦を見させました。あなたは驚愕させるぶどう酒を私たちに飲ませました」と訳せます。ですから、神の民に驚くべき苦しみを経験させることは、地上に住む人々に酔わせることを意味します。
諸国民がぶどう酒に酔うとは・・・
諸国民が驚くような辛苦を経験することを意味する
聖書の中では、神との関係のあるキリスト教国家が、聖書の神に頼るのではなく、世界的な軍事強国に軍事的に頼って、ともに軍事行動をする時、霊的な性の不道徳を犯すことになります。(エゼキエル23:5,6,12,13,16,17, 22-26,36,37)
US military bases in the world 2007
キリスト教国家の米国や諸国家が軍事同盟を結んで行動することは神の目に性的な不道徳を意味する
エホバはその性の不道徳に対して怒りを抱かれ、彼らが諸国民から攻められて命を落としたり、苦難を経験することによって報復をすることが書かれています。そのことが聖書時代の北のイスラエルと南のユダに起きました。
また、ぶどう酒に酔うとは何を意味するのかを、死海写本のイザヤ49章26節には、”They will be drunk with their own blood as with sweet wine.”とあります。ですから、地に住む者たちは、自分の地に酔う、すなわち、命を失うことを意味します。
それで、ヨーロッパ諸国が統合して一国になろうとする計画は、一見して良い企てに見えます。ヨーロッパ諸国が軍事的に協力して、民主的でない政府に対して軍事的な制裁を科すので、そのヨーロッパ諸国の中では、平和が保たれるように見えます。 貨幣を統一して、域内で自由に行き来できるようにするのは、良い企てに見えるかもしれません。また、EUはその属する国家に対して民主的な手続きを踏んだり、基本的な人権を尊重するように求めるので、それは良い意図から出ている企てのように見えます。
しかしながら、エホバ神は一貫して、諸国家が流血を行うことを非難されます。アッシリアやバビロンが過去に残酷な流血の国であったので、エホバ神はアッシリアやバビロンが存在しなくなるようにされました。(ナホム3:1-7)また、エホバ神は、わたしたち個人に対しても、殺人を禁じられています。(啓示9:21)
しかし、EUに属することは、第二次世界大戦後の20世紀や21世紀に米国やNATOと共同して、全地で流血行為を行なうことにつながってきました。それで、エホバ神は、米国とEUの行ってきた流血行為のために、その当然の応報を受けることを容認されることになるのではないかと思います。
(3)EUが今後どのように聖書預言にかかわることになる可能性がるか
万が一、エホバの証人の統治体の言うように、ロシアが近い将来米国を総攻撃することになれば、また、ロシアに、中国、その他イラン、その他の中東の諸国家が加わることになる場合、米国を始めとしたキリスト教諸国家の方には、EUの軍隊という形、また、NATOという形で、それに軍事的に応じる態勢が整っているということになります。
わたしはその紛争がエホバの証人の言う通り、この事物の体制の終わりと楽園の到来につながるとは思いません。しかし、確かに、決して、すぐではないとしても、反米勢力が米国とその同盟国に対して総攻撃をかけるということはダニエル書に預言されているので、それは起こり得ると思います。
しかし、ダニエル11章の預言によると、北の王が十分、国力を増し加えた後になります。ダニエルの預言は、まず北の王は中東の豊かな国を攻撃して、分捕りものを奪い、国威を挙げることが予告されています。(ダニエル11:23,24)
その後北の王は、「大きな軍隊で南の王を攻め」ますが、その時に、「南の王も戦いに備え、非常に強力な軍隊で応戦」することが予告されています。(ダニエル11:25)死海写本でも、北の王は、”a great army”すなわち大きな軍隊を率いますが、南の王は”an exceedingly great and mighty army “を率いることが予告されています。
ですから、北と南の軍隊の規模と強さに関しては、南の王が勝っていることが予告されています。20世紀と21世紀の初頭に、米国とNATOとEUによって行われた戦争は、米国側の最新式の武器と同盟軍の圧倒的な大きさのために欧米側の圧倒的な勝利となるのが普通でした。しかし、その時には、戦いの結果は、その軍隊の規模と強さによらない予想外の結果になります。
南の王は親密な仲間に裏切られて暗殺されることが預言されています。(ダニエル11:25,26)そして、南の王の軍隊は、“will be swept away. Many will fall down slain.“となると預言されています。すなわち南の王の配下にある軍隊の多くの兵士たちが押し流され殺されて倒れることになります。(ダニエル11:26) EU諸国の米国の軍備と武力に対する依存と信頼は、裏切られることになるでしょう。聖書は、エホバ神に依り頼まないで、エジプトの数が多く力強い軍馬に頼った者たちが、災いを経験して、倒れることになることを述べています。(イザヤ31:1-3)このことは、今日、戦争のための高性能の武器に当てはまると思います。
The Hyksos of Ancient Egypt drove chariots
聖書はエジプトの力強い数の多い軍馬に頼ることがないように王たちに勧められた
エホバは現代の最新式の武器は昔の軍馬と同じなので頼らないように勧めておられる
また、ヨーロッパの各政府にさまざまな思惑があったとしても、EUがNATOと共同で、ロシアやイスラム教過激派に対して共同で当たるという合意があり、また、EUを構成する各国が軍事的に協力して行動する合意があります。ですから、北の王の側の1度目の総攻撃の時、EU加盟国には約束があるのですから、米国や他のEU加盟国と一緒に反米勢力に対抗して参戦せざるを得なくなるでしょう。
そして、1度目の北の王の南に対する総攻撃は、停戦交渉が行われることになっていますが、おおむね北の王にとって有利な結末になるでしょう。(ダニエル11:27)ですから、南の王と共に行動していても、その時には、今までになく自国の兵士を数多く失うことになるでしょう。
ダニエルの預言は北と南の一度目の戦いは南が非常に数の多い死者を出す結果になることを予告している
さらに、北の王は豊かな富を携えて故国に帰還することが預言されているので、もしかすると、南の王の同盟国は、多額の賠償金を払わなければならなくなるかもしれません。(ダニエル11:28)しかしながら、北の王の持ち帰る富とは、北の王の軍隊が南の王の領土に侵攻する過程で得た略奪品なのかもしれません。
それで、EU(欧州連合)加盟国の政治支配者には、米国と平和な貿易をして、良い関係を保ちながらも、北と南の間の戦闘には加わらないという立場をお勧めします。そのように流血を避けている事は、聖書の神エホバ神の是認を保つことになります。それは、聖書の約束している永遠の命の約束を守ることにつながります。
さらに、そうすることによって自国の資産である有能な若者の死を産み出さず、自国の物質的な資産も守り、経済活動を続行することになります。平和がなければ、経済的な繁栄はあり得ません。そして、北の王の側に死者を産み出すならば、その復しゅうをいつまでも経験することになります。北と南の間に中立の立場を取って流血を避けられるようお勧めします。